声の網

　『竜のいない王国』麻木未穂　奴隷王女
　奴隷と言うと戦闘奴隷の印象が強いです。
　この作品の奴隷もそう。
　基本粗野だけど、主人公には甘い定番テイスト。
　絵師さんが素敵でした。
　双子の姉王女も反省して、良い女性になって貰いたいものです。
　乙女系では、姉邪、妹純粋な作品が多いような気がしないでもない。
　逆好きの自分はちょっと寂しいです。

　『ハッピーウエディングから恋が始まる』岡野麻里安　陛下侯爵令嬢
　ほぼ姉との結婚が確定してたはずなのに、プロポーズされてしまった妹。
　修羅場確定です、ありがとうございます！
　的な冒頭だったにも関わらず、その後姉が関わってこないと言う不思議。
　最後の方で、姉は姉で幸せな結婚をしていて、上記設定は意味あったのかと、珍しく首を傾げる感じ。
　それ以外は、様様な盛り上がりを見せてしっかり仕上がっているんですが、そこが気になってのめり込ませんでした。

　『禁断ロマンス童話』仁賀奈　パラレル短編集
　大好きだ！　この手の派生物は！
　でも正直、好き嫌いが別れるとは思います。
　今度大好きなハーレムナイトのパラレル版も出るようなので楽しみです。
　眠り姫が鬼設定だったなぁ……さすが腹黒帝王クラウディオ。
　サヴァリオといい、彼の国設定のお話は腹黒が多くて煮えます。

　『夜の神話』麻木未穂　領主一般市民？　
　神話というタイトルに相応しく生まれ変わり設定と見せかけて、実は！
　……の展開が面白かったです。
　最後そのつじつまの合わせ方は、ちょっと微妙じゃね？　と思いましたが、そこはそれ。
　冥府に出てくる魂ちゃんが可愛かったです。

　『光の王女と炎を王子』麻木未穂　盗賊王王女
　王女と婚約予定になってた王子の頑張り具合が凄いです。
　駄目っ子王子が男前な主人公に惚れ込んで懸命な努力を重ねるパターンは時々見かけますが、好物です。
　このお話も美味しく頂きました。